私がブラック企業でも我慢できた【たった2つの理由】

ブラック企業を回避しよう

ブラック企業だとわかれば、すぐにやめればいいのに、なぜ19年間もブラック企業に勤めたのですか?と疑問に思われるかもしれません。

私がなぜ19年間(正確には別々の会社で10年と9年)もブラック企業に勤めることが出来たのか、その理由を話したいと思います。

洗脳されていた

1つ目の会社には10年間勤めることになりましたが、なぜ10年間もその会社に勤めていたのか、今だからはっきりと言えるその理由を書いてみたいと思います。

その会社で結果を出さなければ、他の会社に行っても通用しないと洗脳されていた

「この会社で結果を残せないのに、他の会社に行っても結果を残せるわけがない」

と当時私は上司、社長、その他先輩社員からそのように教えられていました。

私は新卒でその会社に初めて入社しましたので、社会人になって初めての先輩がそのように教えてくれるのですから、それが真実だと信じて1ミリも疑いませんでした

また当時の会社はまだ設立されて間もない規模も小さな会社でしたから、私のことは全員が認識していましたし、私自身も全員を認識していました。

例えば私が契約をしたりすると、全社員が契約した事実を知っていましたし、反対に他の部署の同期が契約をしたりすると、上司から「〇〇が契約したらしい」とハッパをかけられたりもしていました。

そんな状況の中でどの先輩も口を揃えて、

「うちの会社で認められれば、どこの業界でもやっていける」

と言われていましたので、とにかく私は結果を出して、上司や先輩に認められたいと思っていました。

反対に、

「今この場所で結果を出せない人間が、他の場所に行って環境が変わったからといって、結果を残せるわけがない」

とも言われていました。

私はそれを100%信じて疑わなかったのです。

ですから、どれだけ遅くまで働かされてもどれだけ上司にいじめられても(罵倒されても)残業代が出なくても給料が安くても、それがいかなる環境であれ「その場で結果を出せなければ明日の自分はない」と思い込み、とにかく一生懸命に頑張っていたのです。

新卒で初めてその会社に入社した私は、約10年間もそれを盲信していたのです。

その会社を辞めることが、自分の弱さから逃げることだと洗脳されていた

過酷な環境の中で、同期入社した社員や私が入社したときにいらっしゃった先輩社員が、ポツポツと辞めていきます。

辞めるときの事情は、その上司と幹部社員は詳しく知っていたのだと思いますが、新卒入社の私には、悪影響が出ないように(?)詳細を教えてはくれませんでした。

悪影響というのは、辞めていく人たちに同情(同調)して、自分も辞めたいと思わないように、わざと辞めていく人たちの情報を制限していたのだと思われます。

そして辞めていった人たちのことを、会社に残った人(特に上部の連中)は、

「あいつは(自分自身から)逃げた」

と言っていました。

会社を辞めていくことが、逃げたことになっていました。

夜遅くまで働かされたり、休日出勤を半ば強要するような過酷な環境の中では、恋愛もできない、結婚もできないと辞めていった女性社員に対しても、会社に残っていた幹部社員は、

「結局あいつも厳しい環境を言い訳に逃げた」

と言っていました。

(会社を辞めるとこんなふうに言われるのか)

と理解した私は、その幹部社員の言っていることを信じていたので「自分は絶対に逃げない」と心に決めていました。

結局その決心が私をその会社に10年間、留めることになったのです。

辞めてから20年近く経っていますが、今思えば私よりも先にやめていった人たちは、逃げたのではなく「自分に合わない」と思ったのだと思います。

過酷な環境に耐え、その中で結果を残すことにこだわり、会社に居続けることが正解なのか、それともサッサと見切りをつけ、新しい環境で働くことが正解なのかは、最終的にはその結果を見ないとわからない「結果論」です。

私は10年で退職しましたが、その会社に残っている当時の同僚もいます。「その同僚の立場にいま自分が置かれているとしたら」と考えると、良くも悪くも色んな感情が湧いていきます。

私は辞めた自分を全肯定しています。
辞めてよかったと思っています。
しかしあくまでそれは結果論ですが、その場で頑張るのが正解か、辞めるのが正解かそれは自分自身が決めることです。

会社の世間の評価が高く、しかも営業の成果が給料に反映された

私が2つ目のブラック企業に勤めたのは9年間です。

その会社は、私自身も完全に「ブラック企業」と認識はしていたのですが、それでも9年間働き続けたのには、それなりの理由がありました。

その理由を書きたいと思います。

会社の看板のおかげで、我慢していれば数字が上がった

私が2つ目に勤めたブラック企業はいわゆる財閥系の超大手企業でした。
なので「聞いたこともない会社」と言われるようなことはありませんでした。

その企業の看板の力は絶大で、その企業に勤めているというだけで、世間的な評価も高かったと思います。

実際にお客様からは「立派な会社に勤めているひと」と言われることもありましたし、出世して役職がついた時は、その役職が記載されている名刺をお客様に渡す時は、少し鼻が高かったものです。

それを受け取ったお客様も「〇〇(役職)でいらっしゃるんですね。」と言いながら、前の会社に勤めていたときのようなぞんざいな扱いは受けませんでした。
(前の会社は世間的にはあまり知られている会社ではなかった)

そういう状況でしたから、常に顧客はありましたし、サボらず真面目に頑張っていれば、普通に売上が上がっていくのです。
(それでも「最近は問い合わせが少ない」とぼやく時もありましたが・・・)

中途採用で入社してきた新米社員でも、いきなり契約できたりすることは珍しくありませんでしたし、出世して役職がつくと、仕事が本当にやりやすくなっていったことを実感していました。

なので社内でどれだけパワハラがあっても、どれだけ遅くまで働かされていても、それを我慢してとにかく真面目に働いていれば、営業成績は上がっていくのです。

営業成績が上がれば、給料も増えていきますし、さらに出世ということも見えてきますので、ブラック企業とはいっても世間では「一流企業」と言われる会社ですし、その一流企業の役職者となると、お客様の反応や会社での評価も上がり、仕事のモチベーションに繋がっていくのです。

ですから”しんどい”ところも多々あったのですが、それをかき消してくれる会社での評価世間での評価仕事のモチベーションがありました。

それでわたしは当時、ブラック企業に9年間勤めることが出来たのです。

ボーナスがほぼ完全に成績に直結していた

また当時私がその企業からもらっていたボーナスは、ほぼ営業成績と比例していました。
(ほぼという表現をしたのは、いちおう上司の評価が加点・減点になるからですが、ほぼその影響がないくらいの比率でした)

「ボーナスの掛率」のような表があり、それを入社してすぐ上司から渡されました。

つまり「その掛率をモチベーションにして頑張れ」ということなのですが、やはりそのボーナスの掛率のモチベーションは私に絶大なモチベーションを与えてくれました

ボーナスの”締め”は6ヶ月毎なのですが、その規定の6ヶ月の営業成績は自分で把握していますので、6ヶ月の成績の合計を計算すれば、おのずとボーナスの金額が導かれていきます。

なのでボーナス月が近づいてくると、少し前からの成績表をとりだして計算をしていきます。

同僚の数字も成績表に載っていますので、同僚の数字も勝手に計算したりして、

「すげー!今回ボーナス○○○万円もあるやん」

などという会話をしていました。

上司のパワハラ遅い帰宅時間強制的な休日出勤はありましたが、その結果貰える報酬は満足できるものでした。

そのボーナスのおかげで私は長年苦しんだカードローンの借金も一撃返済(波乱万丈の転職&独立4参照)できましたし、貯金もボーナスのたびに増えていきましたので、家計への不安が薄くなっていくことは、仕事をしていく(生きていく)うえでの不安が取り除かれていったように思います

まとめ

ブラック企業であっても、そのブラック部分を補うものがあれば、勤め続けることは出来ます。

私の場合は”洗脳””報酬”だったのですが、”洗脳”の場合はちょっと厄介です。

”洗脳”の場合は、周りは気づいているにもかかわらず、本人は自分が洗脳されていることに気づかず、ブラックを許容してしまっているのです。

洗脳されている場合はさらに厄介で、周りが「辞めたほうがいい」と言うほど逆効果になるときがあります。

私自身も友人に「ブラック」と言われたとき思ったのは、

(おれはその環境で修行しているから、そのうち友人たちとは大差がつく)

と思っていました。
自分が同年代の友人以上に必死で働いているから、社会人としても成長し、どんどん友人よりも立派になっていくはずだと信じていたのです。

ところが学校を卒業して10年ちかく経ったときの自分の年収と、友人の年収を比較して、いかに自分の年収が安いのか、生活のレベルの違いもだんだんと気づき始めたのです。

学校を卒業してから、私よりはノホホンと過ごしていた友人のほうが収入も多く豊かな暮らしをしており、余裕さえ感じられる状況だったのです。

自分の置かれている立場に疑問を感じ始めたのはそのあたりからでした。

自分は修行をしていて、同年代より優秀な人材になっているはずと思っていたのは完全に逆で、

「自分が修行に費やしていたことで遅れを取ってしまっていたものをどうやって取り返せばいいのか」

という発想に変わっていったのです。

つまりブラック企業で必死になっていた時間は無駄な時間であり、もっと有効にその時間を使っていれば、もっとスキルアップし、自分を高めることが出来ていたのです。

それによってそれまでの洗脳は解け、新たな人生を歩んでいく1歩を踏み出せたのでした。

以後、大変な苦労をしながらではありますが、V字回復(波乱万丈の転職&独立4(脱サラ~起業、そして起業して思うこと)参照)し、今に至っております。

自分が洗脳されていることに気づくのはなかなか難しいと思いますが、自分の置かれている状況に「おや?」と思うようなことがあったときに、いったん外に出てみて外部から自分を見てみるのはとても重要なことだと思います。

「自分は過酷な環境に耐え頑張っている」と意固地になるのではなく、まわりの意見などにも耳を傾けてみるのがいいと思います。

周りの人たちが必ずしも「本当にあなたのことを思って」発言しているとは限りませんが、様々な意見を聴き、噛み砕いて、自分の思う方向に進めばいいのです。

あとになって後悔しても時間を取り戻すことは出来ません。自分にとっての正しい選択をできるかどうかは、結果が出ないと”正解”か”不正解”かはわかりません。周りの意見を聞いたからと言って正しい選択をできるかどうかもわかりません。

ただ後悔することだけは絶対にしたくないですね。

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